交通事故でむちうちの嘘はバレる?対処法を解説!【保険会社にバレた時のリスクはかなり大きい】

むちうちは、交通事故に遭った際に発症する可能性が最も高い傷病です。

しかし、客観的に見てわかるような傷などがあるわけではないため、保険会社などから「嘘なのではないか?」と勘繰られることもあります。

また、実際に「むちうちになった」「まだ症状が治らない」などと、嘘をつく交通事故被害者がいるのも事実です。

そこで、この記事では「むちうち」の嘘がバレたらどうなるのか、それはなぜバレるのか、さらに嘘がバレないコツや疑われないコツを解説していきます。

【この記事でわかること】
▪「むちうち」の嘘がバレた人が辿る末路
▪「むちうち」の嘘がバレてしまう原因
▪「むちうち」を嘘だと疑われないための

交通事故で「むちうち」の嘘がバレると受ける不利益

仮に「むちうち」の嘘がバレてしまうと、あなたはかなりの不利益を背負うことになってしまいます。

【嘘がバレるとこうなる】
▪慰謝料が支払われない可能性がある
▪慰謝料の減額
▪治療費を請求される
▪詐欺に該当してしまう可能性がある

慰謝料が支払われない可能性がある

「むちうち」の嘘がバレてしまうと、慰謝料が支払われない可能性があります。

本来慰謝料は、交通事故に遭ったことで負ってしまった精神的な苦痛に対して、治療費とは別に支払われるものです。

当然、「むちうち」が嘘なら精神的な苦痛も何もないので、慰謝料は支払われません。

事故の加害者や保険会社からすれば「精神的な苦痛を味わったのはこっちの方だ」となるでしょう。

慰謝料の減額

「むちうち」を嘘ではないかと疑われた時点で、慰謝料を減額される可能性があります。

慰謝料を減額することによって、通院の回数や頻度を減らすためです。

また、慰謝料を減額された途端に通院を止めたり通院頻度を減らしたりすると、後遺障害等級を認定されない可能性も出てくるので注意が必要です。

治療費を請求される

「むちうち」が嘘だとバレてしまうと、それまでに保険会社が支払った治療費の返金を求められます。

治療費だけではなく、慰謝料や休業損害賠償などについても返金を求められる可能性もあるでしょう。

保険会社からの支払い請求に応じない場合は、裁判に発展する可能性もあります。

仮に「むちうち」は嘘ではないのに治療費の請求を求められた場合は、被害者本人だけで対応するのは難しいかもしれません。

弁護士など、法的な裏付けをしてくれる専門家に協力を求めた方がいいでしょう。

詐欺に該当してしまう可能性がある

「むちうち」と嘘をついて保険金を受け取っていることがバレてしまうと、保険金詐欺に該当してしまう可能性があります。

第246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

WIKIBOOKS

保険金詐欺は、上記の刑法第246条に違反に該当する行為となり「詐欺罪」という罪を問われ、10年以下の懲役を科せられます。

また、詐欺罪の未遂を罰する刑法第250条もあり、嘘が発覚した時点で保険金を受け取っていなくても罪を問われることになるので注意が必要です。

交通事故で「むちうち」の嘘は見抜くことが出来る?

交通事故の被害者が、本当は何の症状もないのに「むちうちだ」と嘘をついた場合、医師や保険会社から見抜かれる可能性はゼロとはいえません

なぜなら、嘘をついている人は「嘘がバレないように」とかえって不自然な行動をとってしまう傾向にあるからです。

例えば、不必要に頻繁に通院したり、症状を過剰にアピールし過ぎたりすることで嘘を見抜かれてしまうことがあります。

「むちうち」の治療費や慰謝料を請求したいなら、嘘をついたり誇張して伝えたりせずに、ありのままを医師に伝えて適切な治療を受けることが大切です。

交通事故で「むちうち」の嘘はなぜバレる?

仮に本当に痛みなどの症状を感じていたとしても、保険会社から「むちうち」の嘘を疑われることがあります。

その理由として、以下の3つが考えられます。

【むちうちの嘘がバレル理由】
▪むちうちはそもそも疑われやすい
▪むちうちを証明できるもの(診断書)がない
▪事故直後に病院を受診していない

むちうちはそもそも疑われやすい

そもそもの前提として「むちうち」は疑われやすい傷病です。

「むちうち」を医学的に証明するのは難しく、ほとんどの場合は本人の自覚症状によって判断されます

また、事実として保険会社の人は「むちうちだ」と嘘をつく人と何度も接してきた経験を持っていることが多いのです。

よって「むちうち」は疑われやすい傾向にあり、嘘でないことを証明するにはそれなりの手順を踏む必要があります。

むちうちを証明できるもの(診断書)がない

前述したように「むちうち」は医学的に証明するのが難しい傷病です。

レントゲンやMRIを撮っても何も異常はみられないことも多く、そうなってしまうとむちうちを証明できるものが何もありません。

むちうちを証明するものが何もないため、嘘をついているのではないかと保険会社から疑いの目でみられてしまいます。

事故直後に病院を受診していない

事故に遭った直後に病院を受診していない場合は、「むちうち」の症状を訴えても嘘をついているのではないかと疑われてしまいます。

事故発生から時間が空けば空くほど、症状と事故の因果関係が結びつきにくくなるからです。

むちうちの症状は、事故発生から数日~数週間ほど遅れて現れることも多くあります。

しかし、症状がないからと通院を怠ってしまうと、あとあと症状に苦しまされるだけでなく、嘘をついているのではと疑われてしまうかもしれません。

症状の有無に関わらず、交通事故に遭ったらできるだけ早く病院を受診することをおすすめします。

「むちうち」が嘘だと疑われないためのポイント

前述したように、そもそも「むちうち」は嘘だと疑われやすい傷病です。

本人としては苦しい思いをしているのに、第三者から疑いの目でみられてはたまったものではありません。

「むちうち」が嘘だと疑われないためのポイントを4点お伝えするので、頭の隅に留めておいてください。

【嘘だと疑われないためのポイント】
1,事故後すぐに病院を受診する
2,症状や主張に一貫性を持つ
3,きちんとした検査を受け証拠を残す
4,治るまでは病院に通う

①:事故後すぐに病院を受診する

「むちうち」を嘘だと疑われないためには、事故後すぐに病院を受診することが大切です。

むちうちの症状は遅れて現れることが多く、事故直後は特に痛みなどは感じないかもしれません。

しかし、事故から数日~数週間経ってから症状が現れ、そのタイミングで病院を受診しても症状と事故の因果関係を疑われてしまうことがあります。

また、早めに病院を受診することで、隠れている症状の早期発見にも繋がるはずです。

できれば事故に遭った当日、それがどうしても難しい場合でも事故から数日中には病院にいくようにしましょう。

②:症状や主張に一貫性を持つ

医師や保険会社に症状を伝えるときは、発する言葉に一貫性を持たせることが大切です。

前述したように、「むちうちは疑われやすい」という前提があることを忘れないようにしましょう。

症状や主張にブレがみえると、相手は一気に疑いの目で見始める可能性があります

③:きちんとした検査を受け証拠を残す

むちうちを患ってしまった可能性があるときは、医師にありのままを伝えて適切な検査を受けさせてもらえるようお願いしましょう。

例えば、レントゲンは骨に関する異常のみしか検知できませんが、MRI検査を受ければ神経などの破損についてもわかることがあります

もしくは、筋力や反射などを調べる神経学的検査もおすすめです。

きちんとした検査を受けることで、むちうちを患っていることを医学的に証明できる可能性があります。

医学的な裏付けがあれば、嘘をついているのではと疑われることはないはずです。

④:治るまでは病院に通う

病院を受診したら、仮に軽症であっても完治する、または症状が固定するまでは病院に通うようにしてください。

途中で通院を止めてしまうと、そもそも最初から嘘だったのではないかと勘繰られてしまう可能性があります。

医師から「もう大丈夫ですよ」と宣告されるまで、定期的に通院することを怠らないようにしましょう。

医師に「むちうち」であることを的確に伝えよう!

「むちうち」を嘘なのではないかと疑われないためには、医師に「むちうち」であることをしっかり的確に伝えることが大切です。

軽度であっても、むちうちはむちうちです。

レントゲンやMRIを撮っても症状がみえない場合でも、自身が自覚している症状があれば「むちうち」であることには変わりありません

医師としても、むちうちは医学的に証明し辛いのが実情です。

患者本人が「むちうちです」とハッキリ伝えれば、むちうちと診断せずを得ません。

最後に、むちうちであることを医師に伝える際のポイントをお伝えします。

【医師への伝え方】
▪はっきりと症状を伝える
▪誇張せずにありのままを伝える
▪自分の伝えたことを忘れないようにする
▪診断書の発行をお願いする

はっきりと症状を伝える

病院を受診する際は、「どの箇所に、どんな症状を感じるのか」を医師にはっきり伝えることが大切です。

痛みを言葉に置き換えて伝えるのは、確かに難しいかもしれません。

しかし、自身が感じている症状をリアリティを持って伝えることで、嘘なのではないかと勘繰られることを防げます

痛みを言葉にして伝える際は「キリキリするような」や「ミシミシする感じ」など、擬音を用いることになるでしょう。

「強く押されてるような」など、例え話を用いるのもわかりやすいかもしれません。

誇張せずにありのままを伝える

症状をはっきり伝えることは大切ですが、誇張したり盛ったりして伝えるのはNGです。

その時点で嘘をついていることになり、医師や保険会社から疑いの目を向けられる可能性があります。

あくまでも、ありのままをそのまま伝えることが大切です。

自分の伝えたことを忘れないようにする

病院で意思に伝えた内容を忘れてしまうと、次回以降の通院時の発言と一貫性が保てなくなってしまいます。

症状や主張に一貫性がないと、嘘ではないかと疑われてしまうのは前述したとおりです。

自分が伝えたことを忘れてしまわないよう、メモ残しておくことをおすすめします。

診断書の発行をお願いする

保険会社に慰謝料を請求するには、医師からの診断書が必要になります

診断書の発行を忘れないようお願いしてください。

なお、診断書は医師のみが発行でき、整骨院や整骨院では発行できません

よって、交通事故に遭ったら症状はなくても整形外科を受診するのがおすすめです。

「むちうち」は正式な傷病名ではありません。

医師から発行される診断書には「頚椎捻挫」または「外傷性頚部症候群」と記述されます。

まとめ

「むちうち」は、そもそも疑われやすい傷病です。

本当に症状があるとしても、通院のタイミングや診察時の発言などによっては嘘だと疑われてしまう可能性があります。

また、「むちうち」の嘘がバレてしまうと多くの不利益を背負うことになります

慰謝料は減額、もしくは支払われない可能性があり、それまでに保険会社が支払った治療費も返還を求められるかもしれません。

嘘を伝えないようにすることはもちろん、交通事故に遭ったらすぐに病院を受診することでトラブル防止に繋がるはずです。

自身や大切な人にもしものことがあったときのために、この記事の内容を頭の隅に置いておいてください。

公開日: 2024-01-22

更新日: 2024-01-22